工事写真のレタッチ依頼前に準備すべきこととは？

～「ただ送るだけ」では不十分。修整精度は準備で決まる～

◆ はじめに

工事写真のレタッチ（修整）を外部に依頼する際、「ただ画像を送るだけ」では、意図した修整にならなかったり、再修正が発生することがあります。

特に公共工事では、検査基準や報告様式に合致した修整が求められるため、事前の準備が、そのまま仕上がりの品質・納品スピード・修整コストに直結します。

この記事では、工事写真の修整依頼前に最低限準備しておくべき5つのポイントを、具体例を交えて解説します。

✅ 準備①：修整の「目的」と「背景」を明確に伝える

例：

• 日付が間違っていた（未来の日付、工期外など）

• 看板が傾いて読みづらい／文字がかすれている

• 作業員や車両が写り込んでしまった

• 証拠力を高めたい（明るさ・水平・構図補正）

伝え方テンプレ：「この写真は○月○日の出来形写真として使いたいが、日付表示が間違っているため正しい日付へ修整希望」

✅ 準備②：修整してほしい箇所を具体的に指示する

推奨：

• 修整希望の写真にペイントソフトなどで「○○を削除」「ここに日付追加」など赤丸・文字入れ

• 難しい場合は、メールやLINEでテキスト指示でもOK（例：「中央下にある車を削除して背景に合わせてください」）

NG例：

• 「なんか微妙だから綺麗にしておいて」→曖昧な表現では正確な仕上がりにならない

✅ 準備③：可能なら「原本写真」と「撮影条件」を共有する

• 修整済みの元となる「未加工画像（JPEGなど）」があればベスト

• 撮影機種（iPhone／Android／デジカメなど）、画質設定（高画質／圧縮画像）も伝えると◎

理由：

• 画像の解像度やExif情報によって、処理の可否・精度が変わる

• 圧縮画像はトリミングや明度調整に限界がある

✅ 準備④：納期の希望と提出形式（JPEG／PDF等）を明示

• 「検査日が〇日なので、〇日午前までに必要です」

• 「JPEG形式で納品希望。PDF形式も添付してもらえると助かります」

補足：

• 曖昧な納期は後回しにされる可能性あり

• 複数ファイル納品を希望する場合は事前に伝えることで効率アップ

✅ 準備⑤：秘密保持が必要な場合はNDAや契約条件を確認

• 公共工事や民間大手の場合、秘密保持契約（NDA）が必須になる場合あり

• 自社の情報を保護するためにも、契約書・規定を確認しておく

対応例：

• 「工事写真は非公開資料のため、修整者にNDAの同意をお願いしたい」

• 「納品後、全データ削除を希望」なども明記可

📦 依頼チェックリスト（無料テンプレ）

チェック項目	有無
□ 修整したい目的（提出用途）が明確か
□ 修整対象の箇所が具体的に示されているか
□ 写真データは高画質・原本に近いものか
□ 納期・希望納品形式が明示されているか
□ 機密情報として取り扱う必要があるか

→ このチェックリストはPDFテンプレートとして無料配布中。LINEまたはフォームよりご請求ください。

◆ まとめ：修整品質は「依頼の精度」で決まる

工事写真のレタッチは、単なる画像処理ではありません。それは「現場の証拠性を守る技術」であり、依頼者の「意図」が正確に伝わるかが品質を左右します。

一枚500円の修整でも、依頼準備に10分かけることでトラブルや再修整を防げると考えましょう。