日付入り写真の修整は違法?知っておきたい境界線
- theholygrail666

- 7月25日
- 読了時間: 3分
~検査に通る写真と“改ざん”の境界をプロ目線で解説~
◆ はじめに
「工事写真の日付を修整しても大丈夫なのか?」
「軽微なミスを直しただけなのに、不正扱いになるのでは?」
こうした声は、現場代理人や設計監理者から頻繁に聞かれます。
公共工事や補助金対象工事では、写真が“公文書的性格”を持つため、
「改ざん」と「適切な修整」の線引きを理解しないまま修整を行うと、重大な信頼損失や契約違反に発展することもあります。
本記事では、「日付入り工事写真の修整」がどこまで許されるか?
現場実務の観点から、安全な修整範囲とNG例、そして正しい依頼の方法を解説します。
✅ 日付修整が問題になる背景
工事写真は、施工した日時の証明として扱われる
特に「施工日」「検査日」「工程内の出来形記録」では、日付=事実の根拠
日付を誤って修整すると、「虚偽報告」「書類偽造」と捉えられるリスクあり
❌ NGとなる修整の代表例(要注意)
ケース なぜNGか
実際の施工日とは異なる日付に変更 虚偽報告となり、工事履歴の信頼性を損なう
本来存在しない写真に日付だけを合成 工事の証拠能力がない「捏造」と見なされる可能性
意図的に工期外の日付に変更 不正請求・契約違反に該当することもある
✅ 許容される「軽微な修整」の範囲
修整内容 安全ライン(実務上認められている例)
写真に写っている日付が間違っている(例:未来の日付) 正しい撮影日へ変更(※Exif情報と一致が望ましい)
手書き看板の日付がかすれて読めない 同日付で文字をなぞる・読みやすく補正する
日付スタンプが一部欠けている 欠損部を補完(元日付と一致し、意図を変えない範囲)
🔸重要なのは、「内容の改変ではなく、正確性の補強であること」。
🔸Exif情報(画像データ内の撮影日時)と整合が取れていると、客観性が保たれる。
🛡 修整のトラブルを防ぐ3つのルール
① 元データ(修整前画像)を必ず保管
→ 万が一指摘されたときに、「原本はこれです」と示せる
② 修整箇所と内容を記録する
→ 修整報告書を作る/台帳の備考欄に「日付文字明瞭化処理」と明記する
③ 発注者・設計監理者の同意を得る
→ 公共工事では事前に「写真修整に関する確認依頼」を出しておくと安全
✍️ 修整依頼時のポイント
「施工日は正しいが、日付表示だけが誤っている」ことを明記
修整対象画像に赤丸・注釈を入れて「ここだけ修整してください」と伝える
修整者に対し「事実の改変不可」「日付はExif情報に従って修整」と明記する
📚 参考:国土交通省「工事写真の撮影要領」より
“画像処理による改ざんは禁止する。ただし、画質の向上・不要な写り込みの削除など、写真の正確性を損なわない範囲の補正は許容される。”
つまり、日付を含む工事写真の修整は、
✅「事実を変えてはいない」こと
✅「誤記や不備を訂正しただけ」なら、許容されるケースが多い。
◆ まとめ:「日付の修整」は可能だが“根拠”が必要
工事写真の修整は、見た目を整えることではなく、事実を“正確に伝える”ための行為であるべきです。
「嘘を隠す修整」ではなく、「誤解を防ぐ修整」であること。
それを徹底することで、発注者・検査官との信頼関係を損なうことなく、スムーズな検査対応が可能になります。

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