【現場目線】看板ミスが原因で検査NGになった事例と対策
- theholygrail666
- 7月25日
- 読了時間: 3分
看板の記載ミスや文字の消えかけは、検査時に指摘されやすいポイントです。現場では急いで撮影する場面も多く、うっかりミスが後を絶ちません。本記事では、実際に起きた検査NG事例を交えつつ、現場代理人目線での回避策や看板作成時のチェックリストをご紹介します。施工管理者や一人親方にとって必読の内容です。
◆ はじめに
工事写真における「看板」は、誰が・どこで・何を施工したのかを証明する命綱です。
しかし、実際の現場では「書き間違い」「不鮮明な文字」「貼り間違い」など、ちょっとしたミスで検査に通らなくなることが少なくありません。
この記事では、実際に筆者が経験した「看板ミスによる検査NG」の事例を紹介しながら、現場で即実践できる回避策をお伝えします。
🔻 ケース1:日付の書き間違い → 写真全却下
■ 事例
「4月18日」と書くべきところを、「4月19日」と記載して撮影。
提出時、実際の作業日報と照合されて不整合が発覚。検査官から「作業実施の裏付けにならない」とされ、該当工程の写真20枚が却下された。
■ 原因
看板を毎朝手書きしていたが、日付チェックが無かった
現場が2現場掛け持ちで、前日の癖が残っていた
■ 対策
毎朝の朝礼で「本日の日付確認・看板記入」をルール化
日付・現場名・工種などをあらかじめPC入力・印刷し、誤記を物理的に防ぐ
看板を撮影する前に「声出し確認」も有効(例:「4月18日、現場A、内装」)
🔻 ケース2:工事名が略称 → 発注者から指摘
■ 事例
看板に「○○団地改修工事」と書いて提出。
しかし、契約書上は「令和6年度 ○○団地第3期建物改修工事(第2工区)」であり、正式名称でないと認められないと判断された。
■ 原因
看板記載時に略称で済ませてしまった(設計者とは共通認識があったが、書類ではNG)
外注業者に看板を任せたため、正式名称が伝わっていなかった
■ 対策
看板の文言は「契約書/発注書に記載された正式名称」をそのまま転記
元請・設計・協力会社で看板フォーマットを共有し、表記を統一する
小さい現場でも「看板の統一ルール」を定めておくことが重要
🔻 ケース3:文字が薄くて読めない → 書き直し指示
■ 事例
マジックペンのインクが薄れていて、撮影画像内の文字が読めない。
「誰が施工したのか、何の工種なのか」が読み取れず、写真台帳としての役割を果たさないとされ、写真撮り直しを求められた。
■ 原因
ペンのインク切れに気づかず使用
書いた本人は読めたが、写真にすると薄くなった
■ 対策
「黒太ペン」「太字マーカー」など、屋外でもはっきり写る筆記具を使う
看板記入後はスマホでテスト撮影 → 画像で可読性を確認する
使い捨てではなく、ホワイトボード+印字文字パネルなどにするのも有効
📌 看板ミスを防ぐための現場ルールテンプレ(例)
項目 具体的ルール例
日付 毎朝事務所から当日の日付をLINEで送信
工事名 発注書・契約書を確認のうえ印刷 or 転記
担当者・会社名 会社ロゴ・担当者氏名をテンプレート化
使用ペン 屋外用太字マーカー(黒+赤)を常備
撮影前の確認 二人一組で読み合わせチェックを実施
◆ まとめ
工事写真において、「写っていればいい」は通用しません。
検査官や発注者が“誰が見ても正しい”と判断できる状態であることが最も重要です。
看板の文字一つで、写真全体がNGとなることもあるため、チェック体制の仕組み化・標準化が現場の信頼構築につながります。
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